ノロウイルスによる感染性胃腸炎の対策について
現在医療機関や老人福祉施設、飲食店などでのノロウイルスの集団感染が問題となっており、その感染対策に関心が高まっています。 そこでノロウイルスの感染対策情報についてご紹介いたします。
ノロウイルスとは
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| ノロウイルスの 透過型電子顕微鏡写真 (スケールバー50nm) |
ノロウイルスはカリシウイルス科ノロウイルス属のRNA型ウイルスの総称です。以前、Norwalk-like viruses(ノーウォーク様ウイルス)またはsmall, round- structured viruses(小型球形ウイルス:SRSV)と呼ばれていましたが、2002年国際ウイルス分類命名委員会においてこの属名が命名されました。 ノロウイルスは経口により感染し、人の腸管で増加しますので感染者の糞便やおう吐物にノロウイルスが排出されます。
感染経路
ノロウイルスは主に生カキによる食中毒の原因ウイルスとして注目されていますが、カキなど二枚貝の他にもノロウイルスに汚染された様々な食品や飲料 水を介して感染することがあります。またノロウイルス感染者の糞便あるいはおう吐物に含まれるノロウイルスによってもヒトからヒトへ感染します。
ノロウイルスの感染から自分を守る方法
手洗いの徹底
食事の前、調理の前、トイレの後は念入りに手を洗いましょう。
ウイルスは目に見えません。感染を防ぐには流水と石けんでしっかりと洗うことでウイルスを手から除去します。石けんに関しては物理的に洗い落とす感 覚ですので、消毒薬の入ったものも通常の石けんもあまり差異はありません。
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注意点
現在、市販されている速乾性手指消毒剤の含有成分のエタノールにはノロウイルスをある程度不活性化しますが、それだけで十分な効果であるとは言えま せん。まず石けんと流水で手を洗い、手を拭いた後に、補完的な意味で使用することをお奨めします。 また次亜塩素酸ナトリウムがノロウイルスに有効であるため手の消毒に検討されている方などいらっしゃいますが、手荒れや皮膚への刺激性などを考慮しますと お奨めできません。ノロウイルスに対する手指衛生は、流水と石けんによる手洗いが基本です。
感染者のおう吐物や糞便の処理
感染者のおう吐物や糞便は水洗トイレに流します。また感染者が失禁をしている場合は紙おむつを使用して使用後はきちんと密封して処分することが薦め られます。 また感染者のおう吐物や糞便で汚染された環境は、使い捨ての手袋、マスクを着用し飛び散りに注意して拭き取り、その後に1,000ppm(0.1%)に希 釈した次亜塩素酸ナトリウムを雑巾などに含浸させ清拭消毒を行います。作業終了後は、流水と石けんで手洗いを行います。
ドアノブ、便座、テーブル、洗面台など環境
1,000ppm(0.1%)に希釈した次亜塩素酸ナトリウムを雑巾などに含浸させ清拭消毒を行います。
注意点
次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるために、金属素材の物品に使用するとサビが出る場合があります。消毒を行う際、広範囲の使用は避け、汚染さ れた部位のみに限定してください。また、使用する場合などは換気に十分注意してください。また酸と混ざると有毒ガスの塩素ガスが発生する為、取り扱いに注 意が必要です。 したがって、ノロウイルス感染が身近に発生していない時点では、次亜塩素酸ナトリウムの代わりに消毒用エタノールを含浸させ清拭消毒をすることをお奨めし ます。消毒用エタノールにはノロウイルスをある程度の不活性化する効果があります。それだけでは十分な効果とは言えませんが、清拭によりノロウイルスを物 理的に拭き取るという効果も合わせて考えると、日常的な場面では十分な対策であると考えられます。
まとめ
ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムの使用が効果的との報道が飛び交っておりますが、次亜塩素酸ナトリウムは手の消毒など人体の消毒には適 してはおりません。消毒薬の選び方としてはその対象のウイルス・細菌に効果があるかないかという選択方法だけでなく、消毒する対象物(人体か器具か)や素 材(金属かプラスチックか)や部分的か広範囲かなど色々な条件を念頭に入れて使用していただきたいと思います。
Y's ePharmacyとしては、ノロウイルス対策での手洗いに薬用石けんのアエラセップ、補完的に用いる速乾性手指消毒薬としてエタハンドゲル、便座などの 日常的な清拭消毒に消エタスワビングをお奨めします。






